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I don't want you and I don't need you

I don't want you and I don't need you
Don't bother to resist, I'll beat you
It's not your fault that you're always wrong
The weak ones are there to justify the strong

The beautiful people, the beautiful people,
It's all relative to the size of your steeple
You can't see the forest for the trees,
And you can't smell
Your own shit on your knees


お前なんて欲しくない お前なんていらない
抵抗したけりゃすればいい 俺はお前をひっぱたく
お前が間違っていてもお前に罪はない
弱者が強者を裁くためにここにいる

美しい人々 金持ちのお偉い人々よ
全てはお前の尖塔の大きさと関係があるのさ
木々にとらわれていたら森は見えないものだ
お前の膝は自分のクソで塗れてる








重々しく、おどろおどろしいベースラインに、スピーカーノイズのごとき切り刻むようなザリザリしたギターリフが喰い込んで行く。
オープニングナンバーに続いて間髪入れずに始まったセカンドナンバーは、胃が痛くなるようなヘビィで横揺れの曲だった。オーディエンスたちは重厚な音に合わせてモッシュの流れを変化させる。

フロアの後方。騒乱に巻き込まれない安全地帯で、そんな人々のうねりを遠目に眺めながら、俺はこの時ようやく気が付いた。
ステージ上のあの黒ずくめのギタリスト、俺にチケットを売りつけたニューク・ブラウンだ。ヘッドバンギングしながらノリノリでチョーキングしてやがる。
舌を出したり歯を剥き出したりと、もうドップリ自分の世界観にハマっている様子だ。はたから見ると将来の黒歴史になりそうで若干引くが、何故か下手クソなギターを夢中になってかき鳴らすあの男がカッコよく見えた。まあ、多分気のせいだろう。

それより何より、問題なのはミックだ。あのボーカルのエナメル女は、俺の知ってる未来なのか?それともまったくの別人か?
ライダースゴーグルに隠された素顔をハッキリと覗いて見たかったが、ステージ上のボンデージ・ガールは観客を煽りながら右に左に暴れ回っている。このステージが終わるまで、確認はお預けとするしかないだろう。

「凄いな」

迫力に押されたのか、「こんな音楽には興味ない」と言っていたミンメイフリークのゼントラーディ人ツォフが、いつの間にか俺の隣りまで来ていた。ずっと奥のカウンターに腰掛けていたのに、黙っていられなくなったのだろう。身体が音圧に同調しながら小刻みに震えているのが分かる。

「あの中に、飛び込んで来たら?」

俺はステージ下の群れを指差す。そこはモッシュの嵐が吹き荒れていて、人種性別を問わず狂乱の渦と化していた。
さすがにそれは遠慮したツォフだったが、ソワソワと何か落ち着かない様子でステージをジッと見つめている。
まあ気持ちは分かる。実は俺も、何だかあの渦の中に飛び込んで行きたい気分だった。初めて聞くナンバーばかりなのに、そんな気持ちにしてしまう位あのボーカルの伸びやかな声質のハイパワーぶりはヤバかった。



Hey you, what do you see?
Something beautiful, something free?
Hey you, are you trying to be mean?
If you live with apes, man, it's hard to be clean

なあ お前 何が見たいんだ? 美しい何かか?自由な何かか? なあ お前 お前は人並みでいようとしてるのか?
もしお前が人真似猿と暮らしていく気なら 綺麗にしてるなんて無理な話さ



サビに入ると、そのボーカルがまた動き出す。太ももまである編み上げブーツを高く振り上げると、そのまま勢い良くステージを飛び降りて来たのだ。
降り立ったのはモッシュゾーンのど真ん中。人々は熱狂してこの無謀なる芸術家を迎え入れようとするが、歌い続ける声の迫力が凄すぎて誰もその身にタッチ出来ない。
それはまるで旧約聖書のモーゼが海を割るかの様に、あれだけ荒れていた人の波がサァーッと2つに分かれて行く。そこを悠々とボンデージのボーカルは歌いながら歩き出した。



There's no time to discriminate,
Hate every motherfucker
That's in your way
The works will live in every host
It's hard to pick which one they eat most

誰彼となく寄生虫がはびこっている
連中がどれを1番喰らったかなんて はっきりさせるのは難しいことさ

The horrible people, the horrible people
It's as anatomic as the size of your steeple

恐ろしい人々 恐ろしい人々よ
そいつはあんたの尖塔の大きさみたいに 解剖科学的なことさ



まるで暗黒の預言者の様に、「ミック」は歌いながら人々の間を進み続けている。そしてそれを誰一人止められない。
その時、気が付いたツォフが俺に耳打ちした。

「こっちに来るぞ…!」

俺は頷く。両手をギュッと握りしめて、足を踏ん張ってその場に仁王立ちになった。
顔を上げ、まっすぐライダースゴーグルの中の見えない顔を見つめる。ボーカリストは歌うのをやめずに歩き続け、どんどんとこちらへ近付いて来る。



Capitalism has made it this way,
Old-fashioned fascism
Will take it away

資本主義はこういうやり方をやってきた
オールド・ファッションなファシズムが
そいつを駆逐するだろう



「お、おい…」

ツォフが何だか情けない声を上げた。まるでオーラか何かを纏っているような迫力のボーカルは、凄まじいプレッシャーと共に俺たちの目の前にやって来た。耐え切れず、逃げるようにツォフが後ずさりして行く。
俺は目を逸らさず、ボーカリストをジッと見据えた。意外に背が低い。ステージで歌っていた時は、あんなに大きく見えたのに。

フロア中の人々が注視する中、俺とボーカリストとは真正面から1対1で対峙する。歌は後奏に入っていて、間もなく曲も終わりそうだ。
不意に、ボーカルは顔のライダースゴーグルに手を掛けた。革グローブの嵌められた手が、一気に大きなゴーグルを取り去ると…その下から、見覚えのある翠緑の瞳が現れる。

「航!あなた航でしょ⁈」

驚きに見開かれたヘイゼルの瞳が、ほんの瞬きの一瞬で遠い記憶の中にいたあの子と一致した。
想い出の中の7歳の未来。
そして今、目の前にいる17歳のミック。

「凄い!何年ぶりなの⁈久し振り!!」

歌をほっぽり出して、ミック…いや、未来は俺に抱きついた。
クラブ・イエローの全ての人の目が、驚きと疑問符と共に俺と未来の上へと注がれていた。


エデンの1月。
実に10年の刻を経て、同じ日、同じメガロードで生まれた2人は今宵再会を果たしたのだ。

未来とはそんな劇的な邂逅だった。




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衝撃のストーリー

ガツンときまました!Σ('◉⌓◉’)
私の心境は、航くんの唖然としたようすに似ているかも。
アメリカの学園ドラマ見ているようで衝撃を受けました。びえりさんしか描けないお話ですね。(o^^o) 面白いです。

瞳が母親似ですが、父親のくせっ毛の他に破天荒のDNAも娘に受け継がれているのでしょうか?

Re: No title

バレたらちょー怒られますww

そもそも高校生でそんな夜遊びはダメざます!
o(`ω´*)o

Re: 衝撃のストーリー

はい、両親の特徴ハイブリッド状態です( ̄▽ ̄)

お返事遅くなっちゃってすみません。お話もいっぱい書きたいんですが、なんか時間が取れなくて放ったらかしになっちゃってます(;´・ω・)
年末年始は暇だったのでバーっと書き出したんですが、今はなかなか…
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