「ちょっと外してくれない?」

「ちょっと外してくれない?彼と大事なお話があるのよ」

ボーリゾンは微笑んでミス・チャイチュアに告げた。ミス・チャイチュアはチェーホフと謎の白スーツ男の間で視線を走らせると「あたしは関係ないわ」と言い捨てて部屋を出て行った。
残されたロシア人2人。ボーリゾンは穏やかな表情で手近な椅子に腰掛ける。

「あの若作りの女、例の“月の女王”ね」

ボーリゾンの問いかけに、チェーホフは車椅子をキィと鳴らした。

「良く知ってるね」
「あれだけニュースになったもの。あんなプライドの高い女、良く手懐けたもんね」
「残りの人生全てを牢獄で暮らすのかいと尋ねただけさ。君なら、塀の中で無意味に老いて朽ちていく恐怖が分かるんじゃないか?」

そうね、とボーリゾンは微笑んだ。とても機嫌が良さそうに見える。少なくとも表面上は。

「彼女にはアポロ時代の忠実な親衛隊がいてね、私兵だから使い放題さ」
「つまり使い捨てのコマに困らない訳ね」
「君と違って替えがきくからお手軽で助かるよ」
「准将にまでなったエリートが、惨めな扱いだわ」
「自業自得さ。身の丈に合わない背伸びをし過ぎたんだ。いまはそれがバネになってるんじゃないかな?いい働きをしてるよ」

チェーホフの笑みは冷たくてゾッとするものだった。この青年はいつからこんな表情をするようになったのだろうか。ボーリゾンは軽く昔を思い返したが、そこまで鮮明に回想している時間は無かった。

「話ってなんだい?そろそろ戻らなきゃならないんだけれど」

チェーホフの言葉に、ボーリゾンは立ち上がる。

「見せたいものがあるの。一緒に来てちょうだい」

チェーホフに笑いかけるボーリゾン。右手を差し出す。

「心配しなくても、ソレ、押してあげるわ」

チェーホフは肩をすくめると、旧友に車椅子を任せた。




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Re: うっ

2人の愛の新章、開幕です(嘘)

ニカ、名前無しからだと結構長いですよね。
昔はまだ可愛げがあったのに…

お仕事頑張ってください!!

Re: 思い出しました( `・ω・)

おおー、凄いw
そこ気がつかれるとはwなかなか出てこないと思いますよww

曲者と言えば、作者があれだけ曲者ですからね…どうしようもないですよ( ̄▽ ̄)

オリキャラっていないと世界観が広がらないと思っているので遠慮なく出しちゃってます。多くてすいませんねホント( ̄∀ ̄;)

人気投票かぁ〜、全部終わったらまたやってみたいですね〜。でもそう言っていただけるとなんか嬉しいです(^-^)/

ニカ と再会・・・・
過去と現在の因縁の対決・・・・

ニカが未沙個人への執着が アレですよ

Re: タイトルなし

うんうん、アレですね、アレ

…アレ?


> ニカ と再会・・・・
> 過去と現在の因縁の対決・・・・
>
> ニカが未沙個人への執着が アレですよ
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