「まず最初に確認したい事がある」

「まず最初に確認したい事がある。ミスターリン・カイフン」

突然名前を呼ばれて、それまで押し黙っていたカイフンは不機嫌そうな顔をバイバルスと名乗った男に向ける。

「なんだ」
「あなたは突然発言を止めてしまった。何故だ?何か圧力がかかったのか」

カイフンは一瞬スタジオ内のカメラに視線を向けた。
ズアンが撃たれたのは見た。しかし奴はカイフンの監視に過ぎない。カメラに映っている所で下手な事を言って、ミンメイに手を出されたら…そう思うと、カイフンは口を噤んでしまう。

「…何もない」
「嘘はいけない。ここでは真実だけを話すんだ」

バイバルスは卓上に置いた短機関銃に手を伸ばした。円卓の一同に緊張が走る。GCCの人々は青い顔でカイフンを見た。カイフンは唇を噛み締めて自分に向けられた銃口を見つめている。

「…ここでは言えない」
「では一度カメラを止めよう。マスター室、聞こえるか。放送中断だ」

主調整室にも仲間がいるのだろうか。バイバルスはカメラに向かって指示を出す。するとテレビ局スタッフから奪ったインカムに何やら連絡が入ったようで、バイバルスは頷き、LIVE中継が中断された旨を告げた。

「これで情報は外に漏れない。安心して真実を述べたまえ」
「…ミンメイを人質に取られてる」

苦悶の表情で告げたカイフンの告白に、その場の一同は息を飲んだ。

「私の発言で彼女の命が危険に晒される。卑怯な手だが、私にはどうする事も出来ない」

驚きの表情でGCCの面々はカイフンを見る。不謹慎にもブエノが口笛を吹いた。

「成る程、さもありなんだ。しかしもうその心配はいらない、ミスターリン・カイフン」

バイバルスは手を挙げて何やら仲間に合図を送った。仲間は頷いて閉鎖されたスタジオのドアの一つに向かう。

「つい先程、我々の仲間がお迎えにあがった所だ。ちょうど歌の収録が済んだ所だったのでこちらにお越し頂いている」

「…なに?」

カイフンの目に焦りの色が浮かんだ。主語のないバイバルスの言葉からは、危険な香りしかしなかった。

「拍手でお迎え頂きたい。人類の救世主、神の子リン・ミンメイ嬢のご入場だ」

スタジオの人々の視線が、一斉にその扉に注がれた。
開かれたドアからは、青い顔をしたリン・ミンメイが、ムジャヒディンの男に肩を掴まれスタジオ内に入って来る所だった。




関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 懐かしいアニメ作品
ジャンル : アニメ・コミック

コメントの投稿

非公開コメント

口笛

ブエノさんの余裕って凄い。どんだけ場数踏んできたんでしょうか?それにしてもミンメイ登場で更に緊張感が増しますね。何人生き残るのでしょう?未沙さん無事でいて下さい。

Re: 口笛

場数というよりアホですね( ̄▽ ̄)

大丈夫、みんな無事です。
仏のびえりが保証します(^-^)/


> ブエノさんの余裕って凄い。どんだけ場数踏んできたんでしょうか?それにしてもミンメイ登場で更に緊張感が増しますね。何人生き残るのでしょう?未沙さん無事でいて下さい。
カテゴリ
プロフィール

びえり 

Author:びえり 
iPhoneで書いているので「輝」と打てません

FC2の機能がよく分からないので、何か変だったら教えてください(´・ω・`)

最新記事
最新コメント
くせっ毛の飛行機乗り
検索フォーム
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR