カイフンは焦りの表情でバイバルスを見た。

カイフンは焦りの表情でバイバルスを見た。

「彼女は関係無い、すぐ解放しろ!」

しかしバイバルスは首を横に振る。

「関係無いことは無い、今日は人類の未来を語る為に集まったのだから。ある意味もっとも重要なゲストだ。それに…」

バイバルスは短機関銃を卓上に置き直し、改めてカイフンと正対する。

「我々に保護されていれば、彼女を人質に取られる心配もない」

「君らの人質に変わるだけだろう!」

「差し当たってそれは否定しない。さあ、リン・ミンメイさんこちらへどうぞ」

バイバルスは自らの席の隣りを指し示す。ミンメイは肩を押されながら円卓へとやって来た。カイフンを見つけ、縋るような目つきになる。きっと訳も分からず銃を突きつけられ、怖い思いをしているに違いない。
カイフンは走り寄って今すぐ抱き締めてあげたかったが、かろうじて自重した。ミンメイが戸惑いつつも席に着くと、バイバルスが「中継再開だ」と宣言する。

「世界の皆さん、ちょうど今素晴らしいゲストをスタジオにお迎えした。あなた方を宇宙の悪魔から救った張本人、神の使徒リン・ミンメイだ」

目出し帽の変な声の男に紹介され、ミンメイは強張った顔をカメラに向ける。笑顔を作ろうとするが、恐怖心が勝ってうまくいかない。
比較的席が近いブエノが「落ち着いて、大丈夫だから」とウィンクするが「この人だれ」と不安そうな顔を唯一の肉親であるカイフンに向けるだけだった。

「さて、次の確認事項だ。グローバル総司令」

バイバルスは新たな矛先を新統合軍のトップに向けた。スタジオ内の軍関係者全員に緊張が走る。
グローバルがゆっくり顔を上げた。

「あなたは先ほど、人類がこの星に留まる事は許されないと仰った。それはどういう意味です?詳しく聞かせて頂きたい」

バイバルスは変質された声で新統合軍のトップに質問した。

「この席では禁忌は何もない。周りを慮る事なく真実を告げられたい」

バイバルスの督促に、未沙は張り詰めた表情で隣りの父親代わりの男を見る。
ミンメイの登場に驚いたばかりだったが、唐突に話は核心へと向かい始めた。

どうするのだろう?
やはり全てを話してしまうのだろうか。
未沙は円卓の下で汗ばんだ手を握りしめた。ストレスでお腹が痛い。この身に宿す新たな生命が心配で仕方がない。

グローバルは、深くかぶった制帽の下から強い光を発してバイバルスを見やった。そして、その視線を円卓の人々に、次いでスタジオ内の観覧客達へと向ける。
一周して、再びバイバルスに視線は戻って来た。

「…よかろう。全てを語ろう」

やはり話すんだ。
未沙は無意識に、お腹を庇うように両手を添えていた。




関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 懐かしいアニメ作品
ジャンル : アニメ・コミック

コメントの投稿

非公開コメント

カテゴリ
プロフィール

びえり 

Author:びえり 
iPhoneで書いているので「輝」と打てません

FC2の機能がよく分からないので、何か変だったら教えてください(´・ω・`)

最新記事
最新コメント
くせっ毛の飛行機乗り
検索フォーム
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR