スタジオ内部での混乱を確認すると

スタジオ内部での混乱を確認すると、新統合軍首脳部はついに「多少の人質の犠牲もやむなし」として強行突入を指示した。
テロリストの抵抗を圧倒的な火力で制圧しながら、ジュノーTV本社の地下階へ進撃した特殊部隊はものの数分でメインスタジオにまで到達する。

スタジオ内ではまだ銃撃戦が行われていた。総司令の護衛について来た護衛官達は、テロリストから武器を奪い取って戦っていた。そこに特殊部隊が大量に侵入して来る。あっという間にテロリストはほとんどが射殺され、わずか数名が存命して捕縛された。

グローバル総司令を背負って歩いていた輝は、メイン通路で特殊部隊に保護される。
部隊は総司令の生存を確認すると、強心剤を打ってグローバルを慎重に地上へと運んで行った。

「准佐も避難してください」
「いや、銃を貸せ。スタジオに戻る」
「我々に任せてください、もう全部終わりです」
「まだやる事がある。いいから貸せ」

特殊部隊員は軽くため息を吐くと、腰のホルスターから拳銃を差し出した。輝は受け取って弾の装填を確認し、慣れない左手で安全装置を外す。

「早瀬大佐が避難したか分かるか?」
「はい、大佐は先ほど上階で保護されました。ご無事です」
「…そうか、良かった」

輝は静かに目を閉じる。特殊部隊員はそんな輝の様子を見て心の中で愚痴った。

たまにいるんだよな〜、こういう人
自分の中で盛り上がっちゃって
別にいいんだけどさ、邪魔だけはしないでくれよな

密かな特殊部隊員の気持ちなど御構い無しに、輝は一人スタジオに向けて歩き出した。


輝がスタジオに着いた時にはすでに戦闘は終わっていて、生き残った護衛官達が外に担ぎ出されている所だった。輝は共に戦った護衛官の無事を確認すると、一人ずつ肩を叩いて労をねぎらう。

スタジオ内は硝煙と血の匂いでむせ返っていた。それはとても酷い有り様だった。
輝は円卓の側まで歩いて行く。黒いアサルトスーツの、血塗れの遺体が2つ折り重なっていた。

チェーホフと、ボーリゾン。

この2人はどんな関係だったのだろう?
そもそもチェーホフ少佐とやらは、何故こんな危険な行動に命を懸けて挑んだのか。

君の子供だ

未沙が輝の子を妊娠している事を、この人は知っていた。
輝自身聞かされていなかった事だ。一体、未沙とはどんな関係だったのだろう。
命を懸けて彼女の救出に挑むくらいには、未沙とは知己だったのだろうか。

輝は膝をつき、チェーホフ少佐の蒼い目を、次いでボーリゾンのその瞼を閉じてあげた。

凄惨な2人の遺体に、輝は目をつむり彼らの冥福を祈った。




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拍手コメントありがとうございます!

タジマ女史はご無事ですwww

そこ大事なんですねwww

確かに、輝ちゃんが読者目線で何でも知ってたらニカとはそれどころじゃなかったですよね〜。人間、相手の事なんて1%くらいしか分かってないもんですよね。だからこそお互いを知ろうとする努力が大切なんですね。

…知った上でどうなるかは分かりませんが( ̄∀ ̄;)
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iPhoneで書いているので「輝」と打てません

FC2の機能がよく分からないので、何か変だったら教えてください(´・ω・`)

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