Song For Earth (2011)

Song For Earth
Song For Earth (2011)
Lynn Minmay



約2年振りとなる第4作。スタジオを離れ、戦後の荒廃した地球を巡業していた為にしばらく新譜の更新が無かった。
この時期のミンメイは仕事面でもプライベート面でも問題を抱えており、あまり良い環境にあったとは言えない。その為か声質にも疲れが見え、以前の様な伸びやかで若々しい感触を得られないのが残念だ。

周りを固めるメンバーも大分変化した。公私に渡るパートナーであったリン・カイフンがプロデュースを仕切り、彼の人選によって制作陣もキュレーションされている。
ミンメイの人気曲を多く輩出して来た阿佐&羽田コンビは提供が1曲に留まり、新たにボノやオノ・ヨーコら多くの活動家が参画。アルバムの方向性に政治的なメッセージを乗せる試みが為されている。
それはそれで特段構わないのだが、2年の間にアイドルを脱皮し過ぎてしまい、唐突に「大人になりました」と現れるリン・ミンメイには正直驚かされる。
こうした従来の路線を否定するかの様な変化が、ミンメイの人気凋落に一役買ったのは言うまでもないだろう。第一次黄金期が終わり、低迷期と言える雌伏の刻が到来した。

楽曲に関しては、作曲家もアレンジャーもそれぞれの仕事を手堅くこなしている。ミンメイのボーカルもニュアンスの難しい曲まで的確に歌いこなしていて見事だ。
にも関わらず、このアルバムにどこか漂う隙の無さ、敷居の高さは一体何なのだろう。カチリと型に嵌ってしまい、今まであったミンメイ独特の揺らぎや遊びが微塵も感じられない。
原因の一つに、脇を固める作家陣の顔ぶれがある。この時期のミンメイはカイフンの影響がとても強く、取り巻く環境もそれに伴ったものとなっている。その結果、本来は天真爛漫に跳ね回る様な彼女の音楽世界を、思想的なものに寄せ過ぎてしまったのではないだろうか。
アルバムタイトルにもなっているコンセプト「地球に捧げる歌」があまりにも大仰過ぎて息が詰まる。提供された楽曲の一つ一つがリン・ミンメイという個性を寄ってたかって殺してしまっているかの様だ。解雇されたマックス・マーティンがかつて切り開いたポップ・カルチャー。それに否定的だったカイフンによる趣味のアルバムと言っても過言ではない。

その中で唯一ストレートに心を捉えるのはやはり阿佐&羽田コンビによる「やさしさSAYONARA」だ。少女から大人の女性へとステップアップする過程で、危うい自分を歌い上げるミンメイの寂寥の情感は見事である。歌の表現が以前にはない深みを増した。
ワールドミュージック的なナンバーが居並ぶ中で、羽田が敢えてムード歌謡的な雰囲気作りにアレンジして来たのは、そうしたミンメイの「哀しい女」としての演出を狙ったのかも知れない。この辺はアルバムのコンセプトからは明らかに浮いているが、もしかしたら阿佐&羽田コンビによる静かな抵抗だったのだろうか。

大作だが、「ミンメイのアルバム」としては非常に難解な作品となってしまった。




関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 懐かしいアニメ作品
ジャンル : アニメ・コミック

コメントの投稿

非公開コメント

教えて!びえり先生2

びえり先生のお話を読んでて、気になりだしたのが、戦後のミンメイの2年間。

一気にトップスターに上り、戦後の暮らしの現実に輝きが薄れ行き…。まだ幼い少女は、周りの大人達に振り回されるだけなのか…。
4作目のアルバム制作側にミンメイ本人はただ流されたのでしょうか。表面だけの大人にさせられたのでしょうか…

ああああ。気になりだした。(>_<)

Re: 教えて!びえり先生2

ふむふむ
ではびえりなりの考え方を簡単にお伝えしてしんぜよう

まずじゃな、戦後にミンメイの人気が落ちるのは当然のことじゃ
何故ならこれは比較級の問題であって、絶対数的にはミンメイはいつまでも人気者なのじゃ
戦前は社会的に余裕があり、スターをチヤホヤする余裕があった訳じゃな
しかし戦後は食うや食わずで、地球全体がアフリカの貧困地帯みたいになっておった
にも関わらず、以前までの熱狂的な反応を期待する若い二人(ミンメイとバカ)にとっては、世間の反応は期待ハズレだった訳じゃな
そのせいでバカは理想破れて酒に溺れ、バカの弱い所を見てしまった幼いミンメイはバカから心が離れ、それを感じ取ったバカとケンカが絶えなくなる。良くある泥沼じゃな
これをキムが言ったように「とかく芸能人は落ち目になるとこんなゴタゴタを起こすもんよ」と一般的な解釈で片付けてしまうのはちょいと可哀想じゃな。むしろ時代に翻弄されたと取るべきじゃろう

で、アルバム制作などの音楽活動についてじゃが、記事の通り曲を集めて一枚の作品を作るというのは、本当にたくさんの人が関わって行われるものなのじゃ
なので、初めからミンメイは「歌うだけの役」に過ぎず、ミンメイのキャラクターや方向性を決めて作曲依頼の相手を探すのはプロデューサーの仕事だし、歌っている内容に関しては作詞家の世界観に過ぎない。作曲家が送って寄越したメロディだけのデモテープを、ギターや弦楽器などに割り振って「ミンメイの曲」に仕上げるのは編曲家の仕事じゃ。したがってそもそもが製作者側から見た場合、アルバム自体ミンメイのものでは無いのじゃ
ファンから見た場合とはまた違うのじゃな

これがシンガーソングライターだとか、セルフプロデュースなどになって来るとまた異なるのじゃが、ミンメイについてはまだそこまで出来てはいないので、今のところは「言われた通り歌う」のが彼女の仕事なのじゃ
ただ、そこで「歌うだけ」の部分にどれだけ彼女の表現力を爆発させられるかが才能なのじゃな
従ってミンメイは才能に溢れた良い「シンガー」という事になるのじゃ

ミンメイが世界中を放浪した2年間に、とても苦労したであろう事は想像に難くないが、それもこれもあのおバカのせいじゃな
結論は、やはりあやつは許せんという事じゃ!書いてて腹が立ってきたぞいヽ(`Д´)ノプンプン



> びえり先生のお話を読んでて、気になりだしたのが、戦後のミンメイの2年間。
>
> 一気にトップスターに上り、戦後の暮らしの現実に輝きが薄れ行き…。まだ幼い少女は、周りの大人達に振り回されるだけなのか…。
> 4作目のアルバム制作側にミンメイ本人はただ流されたのでしょうか。表面だけの大人にさせられたのでしょうか…
>
> ああああ。気になりだした。(>_<)

講義の感想

Ohーー!びえり先生、ご講義ありがとうございます。(^○^)

結論
良くも悪くも悪いのは悪るいは(何度でも言います)悪いのは‼︎、従兄の影響ってこ
とですね。
そして、従兄に疑問を持ち、離れて(見放されて?)おのれの心のままに突き進む‼︎

アレ⁉︎ミンメイ転換期には輝が影響していると思ってたけど、もしかして…イケスカン従兄の方が影響大きいのか…
ええーーーそれはそれで嫌だなあ。(; ̄ェ ̄)

Re: 講義の感想

そうです、全て奴が悪いのです(`・ω・´)キリッ
奴こそ諸悪の根源なのです。税金が高いのも、食品偽装が後を絶たないのも、マクロスの作画が酷いのも、みんなあいつのせいなのです。許せません!

ミンメイに関しては、迷いながらウロウロして成長して行ってくれればいいですね。二部を見る限り、あんまり真っ直ぐ歩いて行ける子じゃなくそうな気がします…(´Д⊂


> Ohーー!びえり先生、ご講義ありがとうございます。(^○^)
>
> 結論
> 良くも悪くも悪いのは悪るいは(何度でも言います)悪いのは‼︎、従兄の影響ってこ
> とですね。
> そして、従兄に疑問を持ち、離れて(見放されて?)おのれの心のままに突き進む‼︎
>
> アレ⁉︎ミンメイ転換期には輝が影響していると思ってたけど、もしかして…イケスカン従兄の方が影響大きいのか…
> ええーーーそれはそれで嫌だなあ。(; ̄ェ ̄)
カテゴリ
プロフィール

びえり 

Author:びえり 
iPhoneで書いているので「輝」と打てません

FC2の機能がよく分からないので、何か変だったら教えてください(´・ω・`)

最新記事
最新コメント
くせっ毛の飛行機乗り
検索フォーム
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR